200年前は何時代?
こんにちは、ノリコです。
昨日、責善学舎/和光無限塾で
「小鼓体験教室」が開催されました。
今日はその体験教室の様子を
レポートさせていただきます。
(珍しく真剣な代表&教室長)
突然ですが、問題です。
200年前は何時代でしょう?
急に聞かれると、「あれ?」と思いますよね。
昨日の塾生さんたちがそうでした。
昨日、責善学舎/和光無限塾の塾生・保護者向けに、
小鼓体験教室を行いました。
講師は、プロの小鼓演奏家、今井尋也先生。
実は「小鼓体験教室」を開催すると塾生さん達に言った時、
塾生さんたちは、全く興味を示さなかったんです。
おそらく、「小鼓って何?」だったと思うんです。
今井先生も
「小鼓を見たことある人?」
と聞いたときに、
誰一人、手を挙げませんでしたから。
今井先生がおっしゃっていましたが
”絶対に本やテレビでみたことがあるけど、
注目して見ていないから、
意識に残ってないだけ”
なんだと。
でも、小鼓について先生から説明を受けていくと、
だんだんと塾生さんの目が輝いてきました。
先生が最初に見せてくださったのは、
約200年前に作られた小鼓。
そこで先程の質問。
「200年前は何時代?」
先生の質問に教室がシーン・・・
先生もあれ?分からない?と笑っていました。
歴史を習っているから、
みんな、わからないわけではないんです。
けど、
794年⇒平安京
1192年⇒鎌倉幕府(最近は1192年ではないそうですが、私の年代はこの語呂合わせ)
という感じで覚えてはいるけど、
今から何年前は?と急に自分の生活に合わせて聞かれると、
わからなくなってしまう。
歴史って覚えるだけのイメージが強いけど、
本当は歴史の積み重ねが今だから、
歴史が生活に活きていかないといけないんですよね。
でもこれで、塾生さんは
200年前がどういう時代だったのか理解したはず。
さらに、先生がある曲を演奏すると、
みんな真剣に聞き入っていました。
その曲は、
聖徳太子が、法隆寺で行われた演奏会で聞いたという曲。
先生の演奏が素晴らしいのもちろん、
聖徳太子が聞いた曲を、今自分も聞いたとなると、
びっくりしますよね。
私も、びっくりしました、そんな曲があるなんて。
そしていざ、小鼓を体験。
小鼓は、左手で持ち、
右の肩に担ぐんです。
(代表、肩に力が入ってますね~)
これ、案外知らないポイントです。
左手で持ったら、左肩に担ぐイメージがありませんか?
でも、左手で持ったら右肩に担いで、右手で打つんです。
雛人形の五人囃子にも
間違えて持っている人形がいるそうです。
さらに、
「太鼓なんだから、叩けば音が出るでしょ?」
と思いませんか?
鳴らないんだな、これが。
私も初めて体験した時は、全く鳴りませんでした。
ま、今も鳴ってませんけど。
太鼓なのに、叩いてもならない。
不思議ですよね。
だからこそ、ポンっと鳴った時には感動です。
ところが…
昨日体験した塾生さんは、
皆さん鳴っていました。
すごい!!
先生がおっしゃるには
「大人は頭で考えて出そうとするから、鳴らないんだよね。
子どもは素直だから」
だそうです。
しかも、小鼓。
ポンと鳴らしているのではないそうです。
「ポ」という音と「ン」という音があり、
その音の違いは「調べ」という紐を握ったり放したりすることで、
「ポ」と「ン」の音が出ているんだそうです。
それを同時にやっているから、
「ポン」という音に聞こえる。
さらにさらに、
小鼓は、小鼓を鳴らすだけでなく、
自分の声も楽器のうちなんです。
「よ」「ほ」の掛け声とともに、小鼓を鳴らす。
これも難しい。
体験教室が終わってから、塾生さんたち、悔しがっていました。
「小鼓を鳴らすことに集中すると、掛け声を忘れる。
掛け声ができたと思ったら、小鼓を鳴らすのを忘れてる」と。
ここに、紐を握ったり放したりの動きもあるから、
いやいや、出来るようになるまでの道のりが長い…
一見簡単そうに見えるけど、
実はとっても難しい小鼓。
だからこそ、体験教室が終わった時には、
とても満足した生徒さんの顔が見られました。
一日経った今日、
体験した塾生さんに感想を聞いてみました。
「なんて言ったらいいのか分からないけど、
何かが残っている」
のだそうです。
こういうのを「言葉にできない」というんでしょうね。
日本では小学校に入ってすぐ、
五線譜に書かれた音譜を読み、
鍵盤ハーモニカを演奏します。
当たり前のように、
西洋の音楽をやることが、
「音楽」になっています。
日本の芸能や和楽器については、
中高校生になってから、
授業で少し触れる程度でしょうか。
しかし、世界の国々で
自国の音楽を教えない国はあるのでしょうか?
現在の日本ほど、
自国の文化を教えない国は
ないのではないかと思います。
日本に住んでいるのなら、
五線譜の楽譜を読めるようになる、
ピアノやバイオリンが弾けるようになる前に、
尺八や三味線や和太鼓ができるようになるくらいでもいい。
そんなふうにも、感じてしまいます。
昨日小鼓を体験した塾生さんは
今井先生が教えてくれたことを振り返りながら、
おそらくこれから、
色んな視点で物事を見てくれるようになると思います。
日本の芸能、それを支える職人。
日本の風土、日本人の考え方。
日本が歩んできた歴史。世界の中の日本。
それから、小鼓を体験したことで見えてきた、日本の問題点。
あまりにも見えたものが多すぎて、
「何も言えね~」状態になっているんでしょうね。
今後も責善学舎では、今井先生にご協力いただき、
この小鼓体験教室を開催していきたいと考えています。
これからを担う子どもたちだから、本物を知ってほしい!!
もちろん、それには、
大人たちの理解が必要です。
このブログを読んでいる大人の中で、
「私も小鼓がやってみたい!!」という方。
「うちの子にもやらせてみたい!!」という方。
ぜひ責善学舎、もしくは私にメッセージをくださいね。
今後開催する時にお知らせさせていただきますね。
今井尋也先生、ありがとうございました!!