200年前は何時代?

こんにちは、ノリコです。

昨日、責善学舎/和光無限塾で
「小鼓体験教室」が開催されました。
今日はその体験教室の様子を
レポートさせていただきます。

小鼓体験教室1210①
(珍しく真剣な代表&教室長)


突然ですが、問題です。
200年前は何時代でしょう?

急に聞かれると、「あれ?」と思いますよね。
昨日の塾生さんたちがそうでした。

昨日、責善学舎/和光無限塾の塾生・保護者向けに、
小鼓体験教室を行いました。
講師は、プロの小鼓演奏家、今井尋也先生。

小鼓体験教室1210②



実は「小鼓体験教室」を開催すると塾生さん達に言った時、
塾生さんたちは、全く興味を示さなかったんです。
おそらく、「小鼓って何?」だったと思うんです。

今井先生も
「小鼓を見たことある人?」
と聞いたときに、
誰一人、手を挙げませんでしたから。

今井先生がおっしゃっていましたが
”絶対に本やテレビでみたことがあるけど、
注目して見ていないから、
意識に残ってないだけ”
なんだと。

でも、小鼓について先生から説明を受けていくと、
だんだんと塾生さんの目が輝いてきました。

小鼓体験教室1210③



先生が最初に見せてくださったのは、
約200年前に作られた小鼓。
そこで先程の質問。

「200年前は何時代?」

先生の質問に教室がシーン・・・
先生もあれ?分からない?と笑っていました。

歴史を習っているから、
みんな、わからないわけではないんです。

けど、
794年⇒平安京
1192年⇒鎌倉幕府(最近は1192年ではないそうですが、私の年代はこの語呂合わせ)
という感じで覚えてはいるけど、
今から何年前は?と急に自分の生活に合わせて聞かれると、
わからなくなってしまう。

歴史って覚えるだけのイメージが強いけど、
本当は歴史の積み重ねが今だから、
歴史が生活に活きていかないといけないんですよね。

でもこれで、塾生さんは
200年前がどういう時代だったのか理解したはず。

さらに、先生がある曲を演奏すると、
みんな真剣に聞き入っていました。

その曲は、
聖徳太子が、法隆寺で行われた演奏会で聞いたという曲。

聖徳太子



先生の演奏が素晴らしいのもちろん、
聖徳太子が聞いた曲を、今自分も聞いたとなると、
びっくりしますよね。
私も、びっくりしました、そんな曲があるなんて。

そしていざ、小鼓を体験。
小鼓は、左手で持ち、
右の肩に担ぐんです。

小鼓体験教室1210④
(代表、肩に力が入ってますね~)


これ、案外知らないポイントです。
左手で持ったら、左肩に担ぐイメージがありませんか?
でも、左手で持ったら右肩に担いで、右手で打つんです。
雛人形の五人囃子にも
間違えて持っている人形がいるそうです。

さらに、
「太鼓なんだから、叩けば音が出るでしょ?」
と思いませんか?

鳴らないんだな、これが。

私も初めて体験した時は、全く鳴りませんでした。
ま、今も鳴ってませんけど。

太鼓なのに、叩いてもならない。
不思議ですよね。
だからこそ、ポンっと鳴った時には感動です。

ところが…
昨日体験した塾生さんは、
皆さん鳴っていました。

すごい!!

先生がおっしゃるには
「大人は頭で考えて出そうとするから、鳴らないんだよね。
子どもは素直だから」
だそうです。

小鼓体験教室1210⑤



しかも、小鼓。
ポンと鳴らしているのではないそうです。
「ポ」という音と「ン」という音があり、
その音の違いは「調べ」という紐を握ったり放したりすることで、
「ポ」と「ン」の音が出ているんだそうです。

それを同時にやっているから、
「ポン」という音に聞こえる。

さらにさらに、
小鼓は、小鼓を鳴らすだけでなく、
自分の声も楽器のうちなんです。

「よ」「ほ」の掛け声とともに、小鼓を鳴らす。
これも難しい。

体験教室が終わってから、塾生さんたち、悔しがっていました。
「小鼓を鳴らすことに集中すると、掛け声を忘れる。
掛け声ができたと思ったら、小鼓を鳴らすのを忘れてる」と。

小鼓体験教室1210⑥



ここに、紐を握ったり放したりの動きもあるから、
いやいや、出来るようになるまでの道のりが長い…

一見簡単そうに見えるけど、
実はとっても難しい小鼓。

だからこそ、体験教室が終わった時には、
とても満足した生徒さんの顔が見られました。

一日経った今日、
体験した塾生さんに感想を聞いてみました。

「なんて言ったらいいのか分からないけど、
何かが残っている」

のだそうです。
こういうのを「言葉にできない」というんでしょうね。

小鼓体験教室1210⑦



日本では小学校に入ってすぐ、
五線譜に書かれた音譜を読み、
鍵盤ハーモニカを演奏します。
当たり前のように、
西洋の音楽をやることが、
「音楽」になっています。

日本の芸能や和楽器については、
中高校生になってから、
授業で少し触れる程度でしょうか。

しかし、世界の国々で
自国の音楽を教えない国はあるのでしょうか?

現在の日本ほど、
自国の文化を教えない国は
ないのではないかと思います。

日本に住んでいるのなら、
五線譜の楽譜を読めるようになる、
ピアノやバイオリンが弾けるようになる前に、
尺八や三味線や和太鼓ができるようになるくらいでもいい。
そんなふうにも、感じてしまいます。

小鼓体験教室1210⑧



昨日小鼓を体験した塾生さんは
今井先生が教えてくれたことを振り返りながら、
おそらくこれから、
色んな視点で物事を見てくれるようになると思います。

日本の芸能、それを支える職人。
日本の風土、日本人の考え方。
日本が歩んできた歴史。世界の中の日本。
それから、小鼓を体験したことで見えてきた、日本の問題点。

あまりにも見えたものが多すぎて、
「何も言えね~」状態になっているんでしょうね。

今後も責善学舎では、今井先生にご協力いただき、
この小鼓体験教室を開催していきたいと考えています。

これからを担う子どもたちだから、本物を知ってほしい!!

もちろん、それには、
大人たちの理解が必要です。

このブログを読んでいる大人の中で、
「私も小鼓がやってみたい!!」という方。
「うちの子にもやらせてみたい!!」という方。
ぜひ責善学舎、もしくは私にメッセージをくださいね。
今後開催する時にお知らせさせていただきますね。

今井尋也先生、ありがとうございました!!

小鼓体験教室1210⑨