記憶の中の香り

小学生のころ、
ある同級生の女の子の匂いが大好きで
その子の近くにいるときは
いつもその子に近づいてクンクンしていました。

思い返してみると
あの香りは香水の香りではありませんでした。
しいていえば
洗濯洗剤の香りだったのか…

まだ「香りつき柔軟剤」が流行る
ずっと前のことですから
(そもそも、柔軟剤がなかったかもしれません。
洗剤がまだ、米袋のように大きな箱に入っていた時代のことです)
「香りを服につける」
なんてことは
していなかったはずです。

その子の匂いを嗅ぎ
「のんたん(その子のあだな)の匂いがする♪いい香り♪」
と言うと、その子は
「そう?そんな匂い、するかな〜」
と笑って言っていました。

たぶん、その香りは
家の匂いとして定着していたため
その子自身には匂わない香りだったのでしょう。
けれど私にとっては心安らぐ香りでした。

記憶を辿るとその香りは
のんたんの優しい笑顔とともに刻まれています。

着物とつつじ・見上げる



以来、その香りと同じ香りを嗅いだことは
今まで一度もありませんが
きっと同じ香りを嗅げば
「のんたんの匂い」だと
すぐ分かると思います。

香りと記憶が密接に結びついていることは
科学的にも解明されています。

しかも、視覚や聴覚と違い
香り、つまり嗅覚は
脳の大脳辺縁系という原始的な部位に結びついています。

理性的に判断するというより、
香りは情緒的に訴えるという感じです。

心地よい香りは気分を落ち着かせ
しかも、記憶にも刻まれます。

自分の好きな香りを身につけていることで、
自身の気持ちを落ち着かせることもできるし、
その香りを周囲の人が嗅ぐことで
「◯◯さんの匂い」と
記憶に刻むこともできます。

現代は洗濯洗剤・柔軟剤をはじめ、
「消臭剤」といわれるものにまで
香りのついている時代です。

しかもこれらの香りは
いい香りではありますが
量産されている香りでもあります。

自分だけの香りを身にまとうことは
きっと出会った人に強い印象を与えます。

もちろん、
自分が心地よいと感じる香りをまとうことが
とても大切です。

自分が心地よいと感じる香り。
お店で見つけるのも楽しいものですが、
一から作り上げるのも
また楽しい過程です。

お香調合ワークショップは
この「香りを作り上げる過程」を
楽しんでいただく空間です。

今月は
8日(土)に神奈川県藤沢市で
「オリジナル防虫香ワークショップ」を
30日(日)に東京・早稲田で
「お香調合ワークショップ〜匂い袋づくり〜」を
それぞれ開催します。





《現在募集中のワークショップはこちら》

⭐️オリジナル防虫香ワークショップ アトリエ淘々
 日時:6月8日(土)13:00〜17:00
 場所:アトリエ淘々(神奈川県藤沢市)

⭐️匂い袋づくりワークショップ 早稲田駅前整体院yabecafe
 日時:6月30日(日)13:30〜16:00
 場所:早稲田駅前整体院yabecafe

詳細・お申し込みはこちら(香房外で体験するをご覧ください)
和の香り調合ワークショップ